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規定について

国際柔道連盟試合審判規定の全柔連導入について【PDF】
IJF審判規定決定版(解釈)【PDF】

国際柔道連盟試合審判規定の全柔連導入について

 2013 年11 月22 日、IJF から全柔連へ届いたIJF 試合審判規定は、本年1 月初旬スペイン・マラガで開催されたヨーロッパを中心としたIJF 審判・コーチセミナーによって最終確認された。

 全柔連としては、本年3 月20・21 日開催予定の全国高等学校柔道選手権大会の県予選や全日本女子柔道選手権大会・全日本柔道選手権大会の県・地区予選が進行中であることを考慮して平成26 年4 月1 日より新規定を適用する。

 そこで、国内で行われる柔道大会を団体戦と個人戦に分けて考えてみると、団体戦においては「引き分け」の妙味が伝統的に存在し、IJF の方針(団体戦は「引き分け」がない)とは若干異なるが「引き分け」を残す方向で考える。

 一方、個人戦においてはIJF 方針を全面的に取り入れても問題はないと思われるが、ケアシステム・イヤホンの設置に限界があるため、一部の指定された大会を除いて審判3 人制を維持し、大会の趣旨・内容によっては優勢勝ちの判定基準を別に定める等して対応する。

審判委員制度は現状通り専任又は審判員が交互に委員となる等して試合場の外から審判団をサポートする方法で取り組む。
 一般的に審判団が助言を受ける場合は主審が審判委員席に歩み寄って協議し最終的に3 人の審判団が合議して決定する方式。

【IJF による団体戦の勝敗決定方法】
 個々の試合では、指定された時間内に決着がつかない場合は個人戦と同様に延長戦を行い、ゴールデンスコア方式によって必ず勝敗を決し(延長戦は時間無制限)、「引き分け」はない。
 (勝者点数配分は一本:100 点、技有:10 点、有効:1 点、僅差:0.1 点)

【全柔連が定める団体戦の勝敗決定方法】
 個々の試合においては勝ちの内容に「僅差」を新設し、内容順を「一本」「技あり」「有効」「僅差」の4 種類とし、それに満たない場合は「引き分け」とする。

 「僅差」とは、双方の選手間に技による評価(技あり・有効)がない、又は同等の場合、「指導」差が2 以上あった場合に少ない選手を「僅差」による優勢勝ちとする。 1 差であれば「引き分け」とする。
 (「指導」数によって勝敗が決する例=0 対2、1 対3)
 (「指導」数に差が出ても引き分けになる例=0 対1、1 対2、2 対3)
 ※ただし、IJF 方式にのっとり試合者A が「指導」2(又は3)与えられたが、終盤試合者A が「有効」を獲得すると技評価「有効」
  が優先され時間終了時点で試合者A が勝ちとなる。

 代表戦は「引き分け」の選手から抽選で1組を選び、時間無制限によるゴールデンスコア方式によって勝敗を決する。(先に「有効」以上の技評価を得た選手が勝ちとなり、先に「指導」を与えられた選手が負けとなる。

 中学生以下の大会では、従来どおり「少年大会申し合わせ事項」を取り入れて行う。

 団体戦・個人戦とも大会の趣旨・内容を考慮したうえで、勝者の決定方法や代表戦(任意の選手による等)の試合方法を別に定めることは可能である。

★【全日本柔道選手権大会の審判規定】
新IJF 審判規定を導入し、試合時間は6 分とし、延長戦は行わない。
 勝敗の決定基準は「一本」「技あり」「有効」「僅差」「判定」とする。
 「僅差」とは、双方の選手間に技による評価(技あり・有効)がない、又は同等の場合、「指導」差が2 以上あった場合に少ない選手を「僅差」による優勢勝ちとする。 1 差であれば旗による「判定」で勝敗を決定する。
 主審1 人、副審2 人の3 人制で行い、2 人の専任審判委員がケアシステムを用いて審判員をサポートする形式をとる。
 副審は主審の判断に異議がある場合は、従来どおりジェスチャーによって自分の意見を表する。
 主審だけはイヤホンを装着し、混乱があった場合(合議が必要な場合)、審判委員はケアシステムで確認して主審にイヤホンを通じて助言し、最終的に主審・副審3 人合議によって決定する。

IJF審判規定決定版(解釈)

1.テクニック(技)の価値

 「一本」にもっと価値を与える。背中が畳につく際に本当のインパクトがある場合にのみその技を一本とみなす。倒れた時に巻き込まれて本当のインパクトがない場合は一本とは考えない。
(解釈)側面から着地してローリングして背中が着いた場合は最高で「技有」。韓国式背負の場合、体側がついてからのローリング状態であれば最高で「技有」とする。

◆スーパー一本

 内股や払腰などの技で技が切れすぎて相手がやや回転し過ぎて、背中の一部のみが畳に着いた場合、「スーパー一本」として一本を与える。この場合、受が自ら回転して回り過ぎているのか、取の技が切れ過ぎて(受はなにもできずに)回転しているのかを見極めることが重要。回転しないで背中の一部のみが畳についた場合は「一本」は与えない。

◆「有効」の定義

 選手が相手をコントロールして投げて体の上部側面が着地した場合は「有効」とする。
(解釈)上部側面と定義されているため、下半身が側面であろうが、うつぶせ状態であろうが、上部側面がハッキリと畳に着いた場合は「有効」
※ 体側から落ちた場合、腕が前に伸びて体が地面に垂直な場合は有効。
 限りなく腹ばいに近い状態、もしくは腹ばいの状態はノースコア。肘で着地し肩が地面に着いていない状態はノースコア。
※ 肘(の上に自身の体があり)と同時に肩が地面に着いている状態は「有効」。
 受の腕が着地した体側の外側(背中側)にある場合はノースコア。
最初にしりもちをつき、その後の別のアクションで背中を着けた場合は有効ではない。(古い規定では「効果」)二つの別のタイミングとなるため「有効」ではない。
しりもちをついた後に同じアクション(続いた場合)であれば有効とする。

2.ブリッジの姿勢での着地

 ブリッジの姿勢で着地した場合はすべて「一本」とみなされる。選手が相手の技からブリッジを使って逃げることがないよう、そして頸椎に対する危険性をなくすために、選手の安全を考慮してこの決定がなされた。
 頭が畳について、足がつく前に頭が離れたとしてもブリッジとみなす。(一本)
 ブリッジの着地の姿勢ではなく、背中から着地することを防ぐためにアーチを描いた行為は一本とする。今まではブリッジの定義は「頭と足が畳についてアーチを描いた場合」だったが、これからは足がついていようが、頭が離れていようが、肩がついていようが、背中からの着地を防ぐために描いたアーチ状の姿勢はブリッジとみなす。
 柔道は安全なスポーツであるということを世界に伝えなければならない。16歳の若い選手が首から着地して車椅子生活になるようなことは避けなければいけない。

3.罰則

 1つの試合において、3つの「指導」があり、4つ目の「指導」は「反則負け」となる。
 「指導」は相手の選手にスコアを与えない。技によるポイントのみがスコアとして表示される。「指導」は受けた回数のみが表示される。試合の最後にスコアが同等の場合、「指導」が少ない選手が勝者となる。
 スコアも「指導」も同等の場合、時間無制限のゴールデンスコアへ続くが、最初に「指導」を受けた選手が敗者となる。または、最初に技によるスコアを得た選手が勝者となる。

IJF審判規定決定版(解釈)

◆「指導」を与える場所について

1.指導を与える際には開始線に戻らないでその場で与える。選手は1,2歩下がったり少しだけ位置を変えることは可能だが(全くそのままでいなければいけないということではない)今までのように歩いて呼吸を整えたりすることはできない。

2.場外に出て指導が与えられる場合は開始線に戻る。

3.寝技の際に指導を受けた場合は一度立ち上がって開始線に戻ってから指導が与えられる。

4.指導を与える流れ
① 指導を与える反則が発生
② 主審が「待て」を宣告
③ 試合者はその場で組み手を離し(もしくは立ち上がり)、少し間合いを開けて向き合った状態になる
④ 主審が指導を与える(指導を宣告する前にはジェスチャーでその理由を示す)
⑤ 主審が「始め」を宣告→試合再開
※場外に出たり、帯がほどけたり、寝技がこう着状態となり「待て」が宣告された場合、選手は試合場
中央に戻り、主審が「始め」を宣告する。(従来どおり)
4回目の指導(「反則負け」)は開始位置に選手が戻ってから与えること。

4.以下の場合、「指導」の罰則が与えられる

◆ 組み手について

① 両手を使って相手に組まれないようにする行為。

② 自身の襟を腕や手で隠す、握るなどの行為で相手が組みに行くのを妨害する。

③ 袖口のピストルグリップやポケットグリップをした場合は直ちに攻撃しない場合。グリップした瞬間攻撃に移らないと「指導」。(今までは時間を与えすぎていた。これからは厳しく指導を取る)

④ ポケットグリップは袖口部分を握った場合をいう。袖口以外の袖をポケットグリップの形で握ることは問題ない。

⑤ 組み手争いのなかで2回組み手を切った後、3回目に切った場合は指導。組み手を切って技を仕掛けたりする場合は問題ないが、組み手を切るだけの行為を繰り返した場合はネガティブ柔道となり指導が与えられる。(3回切って指導が与えられた後にもさらに組み手を切るだけの行為をした場合には数に関係なくネガティブ柔道とみなされ指導が与えられる。

⑥ 両手を使って相手の組み手を切る行為は指導。

⑦ 右組と左組の場合、引手を宙に浮かせて組まない場合、指導。

⑧ 自身の引手の手首にもう一方の手をおいて組み手を切る行為は指導。(両手を使って組み手を切ると同じ行為であると判断)

⑨ 片襟を持ち、その手で相手の釣り手を切る行為は指導。(両手で切る行為と判断)

⑩ お互いが組み手を切りあった場合、同じ行為が繰り返された場合は両者に指導。

⑪ 相手の組み手を強くはたく行為は指導。

⑫ 片襟、クロスグリップ、帯を持つなどの組み手で「直ちに」攻撃しない場合は指導。
(これまでは、時間的な猶予を与えすぎていた)

⑬ クロスグリップの状態から見せかけの内股(内股を仕掛け、ケンケンしている状態)は、本当の攻撃とはいえないので最初は「待て」を宣言し、2回目は「指導」。

⑭ 相手を押して腰を曲げた状態にさせる行為は押している選手に指導が与えられる。
(攻撃をしないで押し倒しているだけの状態の場合)

⑮ 足を使って組み手を切る行為は指導。

◆ 場内外について

① 場内で技を掛け合うことを目的としている。意味もなく場外に出た場合は厳しく指導を与える。
② 片足が出た場合は直ちに攻撃するか、場内に戻らないと指導が与えられる。
③ 片足が出て偽装攻撃をした場合には指導が与えられる。
④ 攻撃などのアクションのないまま両足が場外に出た場合は指導。
⑤ 相手を押して場外に出した場合は、押した選手に指導が与えられる。(押しているだけで攻撃をしていない場合)
⑥ 相手に技を掛けられて場外に出た場合は指導ではなく「待て」
⑦ 場内で始まった攻撃は、立技・寝技共に一連のアクションであれば場外に行っても継続される
 (今までと同じ解釈)。一連のアクションが続いている限りは場外での返し技等も有効とする。
 例:場内でケンケン内股をかけて両者が場外に出た後、受けが返し技で取りを投げた場合はスコアになる。
⑧ 試合者がほぼ同時に技もなく場外へ出た場合は、両者に指導を与える。

◆ その他について

① 自分で自分の柔道衣を帯から出す行為は指導。
② 相手の上着が帯から出ている状態のときに、裾部分を握ったら直ちに攻撃しなければ指導が与えられる。
③ 奥襟などを持ってプレッシャーのみを与える場合、指導。※この規定は今までもあったがほとんど適用されていなかった。
 これからは厳しく適用する。このような柔道をする選手は、指導で勝とうとする選手が多いがそれは正しくない。
 ただし、奥襟を持たれている方が明らかに防御姿勢である場合は、その選手に指導。
④ 自身の脚を相手の脚の間に入れる状態は、繰り返し行う場合は指導。
⑤ ベアハグについて、組み手を持たず相手の選手に直接抱きついて投げる行為は1回目から「指導」。
 少なくとも受・取に関係なくどちらかが片手で組んでいるときは指導は与えられない。
⑥ 偽装攻撃に関しては、過去には指導を与えるのが緩い場面もあったが、今後は厳しく指導を取っていく。

5.以下の場合、「反則負け」の罰則が与えられる

立ち技の際、片手、または両手、もしくは片腕、または両腕を使って相手の帯から下を攻撃する、またはブロックする全ての行為は反則負けとなる。脚を掴んでいいのは、両選手が立ち技からクリアに寝技の姿勢になった場合のみである。
※肘で足をブロックする行為も反則負け。(足を掴んでいなくてもブロックしているということで反則負け)

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