柔道は、1882年(明治15年)に嘉納治五郎(かのうじごろう)師範によって確立されました。
東京下谷にある永昌寺の書院を借りて、わずか12畳の広さの道場を開き、柔道は単なる武術ではなく人間の踏み行うべき道である、として道場名を「講道館」としました。
柔道の目的は、身体と心を鍛え人格の完成をはかり、社会に貢献することであると示されています。
●嘉納治五郎師範の残した言葉
「世を補益するのが、柔道修行究極の目的」
柔道とは、心身の力を、最も有効に使用する道である。
その修行は、攻撃防御の練習により、精神身体を鍛錬し、
その道の真髄を、体得する事である。そして、是によって、
己を完成し、世を補益するのが、柔道修行究極の目的である。
柔道を始めるとよく聞く言葉があります。
一つめは「精力善用 自他共栄」(せいりょくぜんよう じたきょうえい)という言葉です。
「精力」とは心と体のこと。「善用」は良い目的のために使うこと。つまり「精力善用」とは柔道で鍛えた心と体を良いことに使いましょうということです。
「自他共栄」とは自分だけでなく他の人と助け合いながら良い社会をつくっていこうという意味です。
嘉納治五郎師範は柔道を通して世の中を良い方向に導こうという理想を持っていました。
二つめは「礼に始まり 礼に終わる」という言葉です。
柔道は相手がいなければ稽古も試合もできません。そして、練習場(道場)も必要です。
大好きな柔道ができ、自分自身が鍛えられるのは練習相手、試合相手がいるからであり、そこに道場があるからです。そのことに感謝し尊重する姿勢の表れが「礼」です。
以前こんな言葉を聞いたことがあります。「柔道は痛みをともなう技を相手に施(ほどこ)す。このような技を習得している柔道人が礼の心を持っていなければただの野蛮人になってしまう。」
柔道を志している人は相手を尊重し感謝の心を大切にしなければなりません。
柔道指導者は礼節を重んじるとともに「精力善用 自他共栄」の姿勢を自らが実践するとともに、子どもたちにもその精神を伝えていきたいと考えています。
・柔道場の出入りには道場に感謝の意味を込めて「礼」をしています。
・練習・試合相手に対して「礼」をし、敬意を表しています。
・練習相手や試合相手にケガをさせないように、また自分がケガをしないようにツメを短く切っています。
また、貴金属(指輪、ヘアピンなど)を付けての練習は禁止です。
・試合中における「精力善用 自他共栄」(柔道精神)に反する行為については厳しく対応してい ます。(反則負け)
・身体の発達段階に応じてルールを定め、できる限りケガのないように試合が行われています。
小中学生の試合では「少年大会申し合わせ事項」にもとづいて試合が行われています。
・「来たときよりも美しく」(柔道ルネッサンスの取り組み)を実践しています。
・全柔連が取り組んでいる「暴力の根絶プロジェクト」を三重県でも推進しています。
・柔道をしている子は誰かをいじめたりはしていないでしょうね?
COPYRIGHT © MIEKEN JUDO KYOKAI All rights reserved.